虚無への供物

虚無への供物

三大奇書の中では読みやすい

虚無への供物(きょむへのくもつ)は、日本の小説家・中井英夫の代表作とされる推理小説で、1964年に単行本として刊行された。
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、夢野久作『ドグラ・マグラ』とともに、日本探偵小説史上の三大奇書と並び称され、推理小説でありながら推理小説であることを拒否する反推理小説(アンチ・ミステリー)の傑作としても知られる。

日本探偵小説史上の三大奇書ということで挑戦してみたのだが、推理小説としてはハッキリ言って面白くはない。
トリックや動機などは凝ったものではなく、横溝正史や江戸川乱歩が好きな人であれば、この作品はおすすめ出来ない。
推理小説として物語は進んでいくので、いつの間にか通常の推理小説として読んでしまう。
すると予想以上に拍子抜けする。
だが、アンチ・ミステリーとして読めば面白いのだ。
本当の真犯人を指摘するところは素晴らしいほど胸に響く。

ストーリー
下谷竜泉寺界隈にあるゲイバー『アラビク』では、気の早い忘年パーティーの余興に宝石商氷沼家の息子たちが集っていた。
東京に点在する五色不動よろしく、紅司、蒼司、藍司と色名を名前に持つ彼らはそれぞれが名前にちなんだ宝石を相続している資産家だが、洞爺丸沈没事故によって父紫司郎と母を亡くした痛手から立ち直れずゲイバーという非日常へ逃避している。
その氷沼家を連続殺人事件が見舞う。
そのいずれもが完全な密室における殺人。
事件は紅司が構想した推理小説『凶鳥の黒影』をなぞるように発生し、さらに五色不動の配置と事件現場がリンクしつつ、ホモセクシャルな関係や一族を恨む黄司の関与も疑われ、さらに養老院の放火から100名以上が死亡した事件とも関係して混迷の度を深めていく。

虚無への供物 / 中井英夫

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